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 羽ゼッペじいさんは小さな町の人形職人。おおきなかたなで森から切り出した松の木を、あんな人形やこんな人形にまるで魔法のように仕立ててみせる。

 ある日羽ゼッペじいさんはお店で売るためではなく、自分のためにひとつの人形をこしらえた。どこか愛嬌のあるあどけない顔立ちをしたかわいらしい男の子の人形だ。
 羽ゼッペじいさんは人形に平ノキオという名前をつけた。

「うむ、お前の名前は今日から平ノキオだ。いや面倒だから‘平’、よしこれでいこう」

 なんということだろう!
 人形はほんとうの、小さなにんげんのこどものようにむくりと起き上がり、羽ゼッペじいさんを見つめた。

「…ぼく、平?」

 ずっと長いことかわいらしいこどもがほしいと思っていた羽ゼッペじいさんは、とてもとても喜んだ。

「おお!そうだ、お前の名は平だ。平、お前は今日から儂の子だ」
「はい!おじいさん!!」

 見事な髭のせいで町の人には‘羽ゼッペじいさん’なんて呼ばれているが、本当のところおじいさんなどと呼ばれるような歳でない羽ゼッペじいさんはカチンときて平ノキオをとりあえず一発軽くしばいた。

「じいさんだと?!儂のことは父上と呼べ」
「ごめんなさい父上…」

 しばきはしたが何を隠そう平ノキオのことがかわいくてたまらない羽ゼッペじいさん。あまのじゃくな羽ゼッペじいさんはそんなことおくびにも出さないが、それでも平ノキオには羽ゼッペじいさんが自分をとっても愛してくれていることがよくわかっていた。
 だから二人はとってもしあわせに暮らした。
 事件が起こるまでは。



 平ノキオは町の学校に通い始めた。
 クラスメイトのきつねとおおかみは平ノキオを悪い遊びに誘う、困ったやつらだ。

「ねぇ、関平殿。学校なんて行かずに私たちとサーカスに行きましょうよ」
「で、でも、学校に行くと父上と約束したし…」
「大丈夫、宿題さえ終わらせておけばお父上にはばれませんよ。宿題なら私たちが手伝ってあげますから。ね?呂蒙殿」
「そうだ、心配はいらない。それに関平、お前がちょっとがんばればおこづかいももらえるぞ。お前の大好きな父上にプレゼントを買ったりできるんだ」

 父上にプレゼント。
 平ノキオの心はかなりぐらついた。

「でも、あの…がんばるって何を?」
「んー、なに、たいしたことじゃない。そう、気持ちイイことだ」

 きつねの陸遜とおおかみの呂蒙は平ノキオをなんのかんのと言いくるめ、とうとうサーカス小屋に連れ込んだ。

 サーカス小屋と言っても子供たちが曲芸や猛獣を見に集まる場所ではない。そこはオトナがイイものを見に集まるイケナイ見世物小屋だった。
 平ノキオはわけがわからないまま舞台に連れ出され、逃げ出せぬよう天井から吊り下がる手枷をつけられ、ぎらぎら脂ぎった視線を向ける観衆の前で陸遜に着ていたものをを一枚、また一枚と剥ぎ取られた。

「陸遜、イヤだよ、やめて…!」
「嘘。本当はみんなに見られて感じてるんでしょう?だってほらこんなに…」

 うっとりと言いながら陸遜は自らも着ていた衣服を脱ぎ落とすと平ノキオに肌を重ねてきた。
 エロチックに肌を合わせる少年二人に観衆はますます熱い視線を送った。
 陸遜は平ノキオのものに指を纏わり付かせながら平ノキオの愛らしい胸の飾りを優しく喰んだ。

「ぁ…!」

 テントの中は空気が澱むほど香が焚かれている。平ノキオはしっかり紫煙を浴びて、すっかりその効能通りに身体を醸されていた。

「んっ、んふぅ…」

 眉を寄せ、ぎこちなく腰を揺らしながら喘ぎ声を上げる平ノキオの艶姿に観客は大いに喜び、呂蒙が回す帽子の中には次々にチップが放り込まれた。

「もうっ…ダメ…ち、父上ー!!」

 平ノキオが達する直前に叫んだその時。



 ドガシャーンと迷惑な破壊音と共に赤い馬に跨がった羽ゼッペじいさんがサーカス小屋に押し入り、半泣きの平ノキオを掻っ攫うと瞬く間に去って行ったのだった。





「なぜお前は学校に行かずにあんなところにおった」

 羽ゼッペじいさんはうちに帰るとさっそく平ノキオを問い詰めた。

「…」

 平ノキオは父上にプレゼントを買いたかったのです、などとは言えずに俯いて黙りこくっていた。

「黙ったままでいいと思っておるのか。何か言うてみよ」

 つい、本当についつい出来心で、平ノキオは羽ゼッペじいさんに嘘をついてしまった。

「が、学校に行きました」
「なんだと?!」

 あまりにも信憑性のない嘘に羽ゼッペじいさんはますます怒りを表わにした。

「ならばなぜ見世物小屋などにおったのだ。だいたいコレはなんだ!」

 コレとは達する寸前で連れ帰られ、とろとろ蜜を零しながらも放置されている平ノキオのモノであった。
 そもそもこんな状態を初めての経験する平ノキオは、見世物小屋で焚かれていた香のせいでいよいよ収拾つかない自分の身体を持て余し、ぽろぽろ涙を零した。

「知りません。平は何も知りません」

 平ノキオの二つめの嘘を聞くと羽ゼッペじいさんはもっと怒った。

「知らぬはずがなかろう。お前はこの父ではない者にいたぶられてよがっておったのか」
「違います、違います、よがってなどおりません」
「何を言う。コレが何よりの証拠であろうが」

 羽ゼッペじいさんにはちきれそうなモノを掴まれ、平ノキオは悲鳴をあげた。

「ああっ、父上どうか、お離しくだされ!」
「離すものか」

 羽ゼッペじいさんがそのおおきな手の平で包み擦り上げると、たまらず平ノキオは身を強張らせ上り詰めた。

「やあぁっ…!」

 熱を吐き出し、しかしなおも勃ち上がりかけたそれは香の力によるものだったが、平ノキオにはわけがわからず、羽ゼッペじいさんには知り得ぬ事情だった。

「なんと。初めてのくせに一度では足りぬのか。このように淫らな子には仕置きをせねばならぬ」
「ち、違います、平は淫らな子では、あ、アァん…!」

 羽ゼッペじいさんに尻を捕らえられ、どこもかしこも感じてしまう平ノキオは淫らがましい声を上げてしまう。

「そのような声で啼きおって、やはりお前は淫らな子に違いあるまい」

 言いながら羽ゼッペじいさんは平ノキオの体の中にあるもっと淫らになってしまうスイッチを指で探り、次々指を増やして捏ねまわし、ついには指だけでなく羽ゼッペじいさんのジョイスティックで散々攻め立てた。



「あっ、ち、父上っ!」
「なんだ」
「平が、みっ、淫ら…な子で」

 平ノキオは泣きながら言った。

「平を…き、き、嫌いに、なってしまわれましたか」

 羽ゼッペじいさんはふ、と頬を上げ、繋がったまま平ノキオを強く強く抱きしめた。

「…そんなはずがなかろうが」
「父上…」

 平ノキオはしあわせのあまり震えた。

「よいな、二度と父以外の者に体を触らせてはならぬ。父との約束を破ってもならぬ。父に嘘をつくなどもっての外だ。わかったな」
「はい、はい…」



 平ノキオは羽ゼッペじいさんの望み通りのよい子になって、たくさん可愛がられて暮らしたとさ。。



おわり


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